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僕はジョギングを日課にしている。

この街で自分を忘れずに済む手段は少ない。その手段さえ、ほとんどは金がかかる。

ジョギングはわれわれに残された数少ない聖域のようなものだ。

いつも思う。こんなものまやかしに過ぎないと。汗が流れただけ、息があがっただけ、来た道を戻っただけ。そんなことも心地良い。どうかしてる、と思いながら、走るのをやめられないでいる。

近所にある神社、そこの手水所が僕の途中休憩所だ。

僕はその日もそこで休憩をしていた。休憩はしなくてもいけないし、しすぎてもいけない。当たり前だが、行ったら、戻ってこなくてはならないのだ。

その日、「いつも会いますね」と彼は言った。

手水所で話しかけてきた男は綺麗な白髪で、サングラスをかけ、ヘインズの黒Tシャツにスパッツ姿だった。

浅く日焼けして、張りの良い頬。口元からのぞく歯は美術品のように真っ白だった。

「あたたかくなって走りたくなりましてね」と僕は答えた。

「もしよろしければ、少しの間、一緒に走りませんか?」

「かまいませんよ」

しばらく走ってみて、彼がかなりの長距離ランナーだとわかった。深く長い呼吸はほとんど乱れなかった。

「ひとつ、トラブルがありましてね」と彼は走りながら言った。

僕は黙ったまま、目線を前に向けて走り続けた。

仕事というのは、どこにでもあるものなのだ。選ぶか、選ばないか、それだけだ。

特にこの街では、仕事が服を着て、ジョギングをして、話しかけてくるのだ。

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